三十路の妻の義母は、早くに結婚出産したため、まだ51才、で、妻と私の歳が離れているため、私よりも年下である。
年に何回か近くに来たからと実家に寄って行くことがあるが、大抵は妻の休みの日の昼間の事で、もう何年も顔を合わせてはいない。
そんな妻の義母から、携帯に電話が入った。
話したいことがあるから会いたいとのこと、それも妻には知られないように、とのことだった。
私から言うのも何だが、妻も妻の妹もかなり整った顔立ちなのは、この義母譲りで、10才くらいは若く見える。
妻の義母としてこれまで見て来たので、性の対照として見たことは無かったが、妻には内緒で会いたいとの連絡で、義母が一気に性の対照になってしまった。
仕事を終え、待ち合わせの場所に向かった。
約束の時間より少し早く着いたが、義母は既に着いていた。
クラクションを軽く2回鳴らすと、振り向きそのまま小走りに車に近づき、挨拶もせずに車に乗り込んできた。
何やら周りの目を気にしている様子なので、一先ず車を走らせた。
「話って何ですか?」
車に乗り込んでから、何も言わず少し怖い顔で前を見ているだけの義母との空間に耐えきれず僕から、切り出した。
それでも、義母は?口をひらかず、前を見ているだけだった。
10分もあてなく走っただろうか、義母が
「今日する話は人には聞かれたく無いから、二人きりになれるところへ行って…」
とようやく口を開いた。
「ふたりっきりって…」
また、変な妄想の断ち切れていない私は、そばにある美佳(妻の妹)と何度か使ったラブホが浮かんだが、
義母の思いつめた感じはそんなところでは無い雰囲気と自身を戒め、しかしそんな場所はあとボックスくらいしか浮かばず、ボックスの駐車場に車を入れた。
義母は、行く先のあてが違ったらしく、
「ここじゃ…ホテルとかは、無いの?何もしないから連れ込みとかでもいいよ」
と場所替えを伝えてきた。
連れ込み?心を見透かされたようで驚いたが、怖いくらいの義母の言いように圧倒され、近くにある義妹と何度か使ったラブホへ乗り入れた。
勝手のわからない義母は、僕に誘導されるまま、僕の後ろに着いて部屋に入ってきた。
部屋の扉を閉めるなり、義母は持っていたバックで、2.3度後ろから私を叩くと、
「美佳ともここに来たの?」
と私に罵声を浴びせた。
その瞬間、身体中の血の気が下がって行くのがわかった。
と同時に
「なんで?」
「なにを?」
と、言い訳をするための思考で頭の中が、パニックになってしまった。
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